ふるさと納税を装った「疑似サイト」なども、人の善意を逆手にとった詐欺グループの仕業になります。
一方、住宅リフォームに関しても、高齢者を中心として、悪質な事業者による消費者トラブルが大きな社会問題になっています。
今回は高齢者が陥りやすい「訪問販売による悪質リフォーム業者」の急増と、「リフォーム契約前と後の対処法」「悪質業者の見分け方」などをお伝えして、一緒に被害の拡大防止に勉めていきましょう。
記事を読むことにより、あなたのリフォームに関する疑問・悩みが解消され、理想の住まいの実現に向けてお役に立てれば幸いです!
訪問販売による悪質リフォーム工事
○ 架空工事による被害
突然訪問した業者と契約してしまい、総額600万円のリフォーム工事をしてしまったという例があります。
「屋根瓦のしっくいが剥げていて、このままでは屋根を支えている柱や梁が腐ってしまうから早く修理した方がいい」と言われ、「腐っては大変だ」と思いあわてて契約したらしい。
○ 高齢者がターゲット
もう一つの例では、認知症の高齢者が6年間で47件、18業者と総額1600万円のリフォームと契約、工事をしてしまった件。
リフォーム業者の訪問販売で契約し、ほとんどがその日に契約、工事していた模様。遠方の娘に近所住民からの報告で気づいた。
同様な工事を繰り返し、ほとんのどの工事が不要であった模様。
○無料点検のうたい文句
悪質な住宅リフォーム訪問販売は、「床下の無料点検です」などと目的を偽って居宅に上がり込み、「床下が腐っている」と不必要な数の床下換気扇を販売するなどの悪質商法を行います。
悪質訪問リフォーム販売を防ぐには?
では、どのようにしたらこのような詐欺・トラブルに巻き込まれなくなるでしょうか?
訪問販売業者が来たら
1、話を聞かない・家に上げない
2、しつこく、帰らない場合は家族か警察に電話する
工事の契約する前に
・ 訪問販売では、絶対契約しない
・ 工事を依頼するかどうかは、家族と話し合い、必要な工事か十分に検討する
・ 家族や身近にいる人が注意する-成年後見制度の活用の検討-
・ 複数の業者に見積りを依頼する
工事の契約した後は
・ 小さな工事でも契約書を交わす
・ 訪問販売の場合、工事の開始後でも、クーリング・オフ期間内であれば解約できる
・ 不審を感じたら、家族・国民消費生活センター等に相談する
・ 施工中の写真を撮っておく
悪質住宅リフォーム業者のチェックポイント
・建設業許可等の提示
・名刺の会社の住所の確認(近場にあるか)
・実店舗があるか
・行政処分を受けた事業者の一括公表
周りができる悪質住宅リフォームトラブルの防止
・リーフレットの作成・配布での啓発
・住宅リフォームに関する消費者トラブルに陥らないためのアドバイス、トラブルにあった場合の相談先、成年後見制度についての問い合わせ先などをまとめたリーフレットを作成する。
・介護ヘルパー、民生委員、老人クラブなどを通じて、高齢者やその周りの方々などに配布する。
○ 介護ヘルパー・民生委員・区長・地域住民の連携
○ 高齢者クラブでの呼びかけ:「消費者問題出前講座」の開催
おかしいなと思ったら
「契約したけど、高すぎるんじゃないか?」
「どうも内容が腑に落ちない」
など少しでもおかしいと思ったら、次の機関に問い合わせてみましょう。
■公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター
電話:0570-016-100 受付時間 10:00~17:00
■消費者ホットライン
全国統一番号 ☎(局番なし)188 受付時間:平日の10時~12時/13時~16時
もしも契約してしまったら?
訪問販売による取引は、契約書面を受け取った日から8日間以内であれば、工事が終わった後でも契約解除ができます。
※ 8日間を過ぎていても契約の取消しができる場合もあります。国民生活センター等に相談してください
悪質業者の見分け方のまとめ
悪質な事業者による消費者トラブルはもはや自分だけの問題ではなく、深刻な社会問題となっています。
悪質業者を寄せ付けないためには、「近隣の住民同士の情報の共有と連携」「遠方に住んでいるご家族との定期的な会話」などが重要な手立てとなりますので、他人事と思わず、自分ごとに置き換えて注意・考えていききましょう。