東京都でバリアフリーリフォームに関心のある方へ

東京都では、高齢者や障がい者の方々が安心して暮らせるよう、バリアフリー化の推進に力を入れています。

東京都の補助金制度や相談窓口に関して、詳しい情報は文末をご覧ください。

今回はご家族がご病気や高齢になった場合でも、不自由なく自宅を快適に過ごせるバリアフリー住宅リフォームについて、具体的な計画のポイントをまとめてみました。

安心・安全のバリアフリーリフォーム

車椅子でもストレスなく自由に行き来ができるよう、キッチン、トイレ、玄関、洗面室等の広さに余裕を持たせたいところですが、現実は限られた面積、既存の間仕切りなど難問が出てくると思います。

一番大事なことは、利用者の気持ちになって、普段どんなところに不便があるのか、何に不満に感じているかを最優先課題にすること。

同時に他の家族も使い心地のいいリフォームを考えていきましょう。

バリアフリーリフォームのポイントは次の3点

・利用者が楽に行き来ができるようにできるだけ段差をなくす。
・車椅子で出入りしやすいように、寸法やレイアウトを検討する。
・方向転換せずにスムーズに回遊できるよう動線を工夫する。

洗面や調理など、車椅子に腰掛けたまま作業するには、足が収まるスペースが必要です。

シンクや化粧台など、作業しやすい収納とおしゃれな設備を選びましょう。

洗面化粧室&トイレのバリアフリー解消

洗面化粧室は洗面、服の脱着、化粧など顔のお手入れ、洗濯・乾燥スペースなど、幅広い用途が求められます。

もちろん、車椅子が浴室までスムーズに通れる十分なスペースが必要です。

更に洗面台は、腰掛けてお手入れができたり、車椅子が入り込める車イス対応のオープンカウンターを選ぶのがいいでしょう。

毎日使うトイレだから、ストレスのかからないように使い勝手のいい空間にしたいですね。

そのためには、例えば車イスが入れるのはもちろん、介助する方も同時に入ることができるなど、スペースにゆとりを持たせたいものです。

トイレにバリアフリーと言えば手すり必需ですが、一口に手すりと言っても、使う人によって形状や場所が違います。

肘掛け手すり(背もたれ付き)や、握力の足りない方でも支えることができる棚型の手すりなど、使う人の体力に応じて設備を選ぶ必要があります。

トイレのスペースにゆとりを持たせるために、タンクレスの便座。

便器に移乗しやすいように便座の高さを考慮します。
一般的な洋風便器の高さは350~385mmです。
車いすから移乗しやすい高さ420mmの「車いす対応便器」を選びましょう。

トイレと洗面化粧室を分けずに一つの空間にすると、空間の無駄が無くなる上に扉の開け閉めがなく快適ですし、なにより工費の節約になります。

キッチン&リビングのバリアフリー解消

キッチンは調理・配膳・後片付けのしやすさや収納まで使用者の立場になってそれぞれの設備の位置や大きさを決定しなければいけません。

今回は高齢者・車椅子に対応した使い勝手のいいバリアフリーキッチンのポイントをまとめました。

キッチンのバリアフリーポイント

・方向転換せずに動ける回遊型のキッチンとリビングにする
・不自由な作業が楽にできるよう、設備を工夫する
・車椅子でも楽に収納できる吊り棚


リクシルのユニバーサルキッチンより

車椅子に腰掛けたまま作業できる足が収まるスペースがあるシンクを選びます。

車椅子でスムーズに回遊できるよう作業スペースの確保とI型・L型などキッチンの形状を工夫します。

玄関のバリアフリー解消

最も段差が激しいのが玄関です。
車椅子や高齢者に大敵の段差をなくすために二つの方法があります。

1、車庫から玄関ドアまでに車椅子で登れる緩やかなアプローチを作る。
2、玄関内にスロープか昇降台を作る。
1、2を合わせてスロープを更に緩やかにできる。

アプローチ(スロープ)はウッドデッキ(擬木・コンクリもあり)などで作ることもできます。

いずれにしても、玄関は収納も含めて車椅子が自由に安全に転回できる十分なスペースが必要です。

廊下のバリアフリー解消

車椅子と人が交差できるくらいの広めの廊下が理想です。

廊下の幅は最低85cmは必要でしょう。
150cmくらいあると直角の廊下でも車椅子で楽に曲がることができます。

各部屋に入るドアは力の要らない上吊り式の引き戸(段差が無い)が軽くて便利です。間口は90cmから100cm必要です。


リクシルの引き戸より

バス(浴室)のバリアフリー解消

バス(浴室)は全面的に車椅子使用者用にリフォーム

浴室は1日の疲れを取る癒やしの場所であるが、ヒートショックや濡れた足元での転倒など、事故の多い場所でもあります。

ベンチカウンターでの洗髪、体洗い後、隣接する浴槽にスムーズに入れる構造は、高齢者でも安心して出入りできます。

ここでも手すりの場所と足元が滑らない構造を十分にチェックして、システムバスを検討していきたいですね。

どうしても浴槽に入るのが危険な場合は、Lixilの「シャワー・ド・バス」など全身シャワーで足元まで温めるシャワーもあります。

バスリフォームのポイント

・洗面脱衣室から車椅子でストレートには入れる浴室
・洗い場・浴槽の出入りの頑丈な手すり
・出入り口の幅は車イスが入れる85cm以上で開閉しやすく安全な建具(安全ガラス・アクリルなどわれにくいもの)
・緊急用ブザーの設置
・またぎやすい高さの浴槽:浴室の床から縁まで30cm~50cmの高さ


リクシルの介護用ユニットバスより

寝室のバリアフリー解消

車椅子から楽にベッドに移れるたり、回転したりできるスペースをもたせる。

・できれば寝室の隣に洗面所付きトイレ、その先にバス(浴室)があるとベストな間取りになります。

手すりの設置

ご家族の中にご高齢の方がいて、外出時にはつえを手放せない方も少なくありません。

話をお伺いすると、「外ではつえを使うけど、家の中では面倒だから使わない」という方がほとんどです。

部屋からトイレに向かう時は、けっこう苦労しているとか。家族の手を借りずに、できるだけ1人で移動したいですよね。

トイレの引き戸には手すりが付けられないので、ドアの前にステンレスのバーを設置するなど、お客様宅にあった使いやすさをご提案します。

手すりの種類

握り・形・素材・色など、手すりの種類は多種多様です。

例えば、バーの太さ。細い方がしっかりと握りやすく、太いものはひじや手のひらを支えるのに適し、手を添えて滑らせながら添い歩きがしやすいという特徴があります。

場所によっては壁や床の補強が必要になるので、まずは当店にご相談ください。
手すり

高齢者・車椅子のための「バリアフリーリフォーム」のまとめ

急ぎ足で車椅子でも使い勝手がいい「バリアフリーリフォーム」のポイントを押さえましたが、参考になったでしょうか?

このように使用者の気持ちになって一緒にリフォームを計画していくのが、次第に楽しくなっていきますし、普段どんなところに不便があったり、不満に感じているかも知ることができます。

家族みんなで知恵を出し合って「バリアフリーリフォーム」考えて住みよい住宅づくり目指しましょう!

東京都のバリアフリーフォーム補助金制度と相談窓口

東京都は、住宅のバリアフリーリフォームに対する補助金制度と相談窓口を設けており、高齢者や障がい者の方々の生活環境の改善を支援しています。

東京都のバリアフリーリフォーム補助金制度

東京都は、以下のような住宅のバリアフリーリフォームに対する補助金制度を設けています

  1. 東京都高齢者向け住宅改修費補助事業

    • 対象: 65歳以上の高齢者で、日常生活に支障がある方
    • 補助内容: 住宅改修費用の一部を補助(上限30万円)
    • 補助対象工事: 手すりの設置、段差解消、床材の変更など
  2. 東京都住宅改修支援事業

    • 対象: 高齢者や障害者のいる世帯
    • 補助内容: 住宅改修費用の一部を補助(上限50万円)
    • 補助対象工事: 段差解消、洋式トイレ設置、浴室改修など
  3. 東京都住宅セーフティネット改修事業

    • 対象: 高齢者や障害者のいる世帯
    • 補助内容: 住宅改修費用の一部を補助(上限50万円)
    • 補助対象工事: 手すりの設置、段差解消、浴室改修など

これらの補助金制度は、各区市町村で実施されているため、お住まいの地域の窓口に直接お問い合わせいただくことをおすすめします。

また、国の「高齢者等居住安定化推進事業」や「バリアフリー改修促進事業」などの補助制度も活用できる可能性があります。

東京都 バリアフリーに関する相談窓口

東京都では、バリアフリーに関する相談窓口を設置しており、専門家による助言を受けられる体制が整備されています。

  • 東京都市街地建築部 建築企画課
    • 所在地: 東京都庁舎 3階中央
    • 電話番号: 03-5388-3374
    • 相談時間: 9:00-12:00、13:00-17:00
    • 相談内容: 建築基準法に基づく総合設計の許可や相談

この建築企画課が、東京都のバリアフリーに関する相談窓口として機能しているようです。

建築物のバリアフリー化に関する相談や、総合設計の許可申請などについて、専門家による助言を受けることができます。

このように、東京都では建築や建設に関する相談窓口を設置しており、バリアフリーに関する相談にも対応していますのでご活用ください。

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